夏時間(サマータイム)とは?そのメリット・デメリットとは?健康に悪い上にエコでも無い?

夏時間(サマータイム)とは?そのメリット・デメリットとは?健康に悪い上にエコでも無い?

今サマータイムが話題になっているが、実はサマータイムにはデメリットが多い。 そしてNHKの調査では51%が賛成しているといことだが、その調査方法には疑問も残る。 今回はサマータイムのメリット・デメリットと各調査の疑問についてまとめてみた。

サマータイムとは?

summer-time

夏時間(サマータイム)、とは1年のうち夏を中心とする時期に太陽が出ている時間帯を有効に利用する目的で、
標準時を1~2時間進める制度
のことである。

よく誤解されているが、「意識的に一時間早起きする、出社が一時間ズレるだけ」のではなく、
標準時を変更することになる。
つまり、夏時間開始の際には、時計を1時間進める ことになるのです。

サマータイムのメリットは?

merit

サマータイムにもメリットはあるとされている。以下のような効果があるというのが一般的だ。

  • 明るい時間を有効に使えるので照明の節約になる。
  • 交通事故や犯罪発生率の低下。
  • 活動時間が増えることによる経済の活性化。
  • 午後の日照時間が増えることによる余暇の充実。

実際、明るい時間はそれだけで犯罪がしにくいのは間違いない。
犯罪発生率は低下するかもしれないのでこれは良いでしょう。
ただ、他の効果については、日本での効果に限定すると引っかかることが多いです。
実は、現在サマータイムを導入している国はヨーロッパや北アメリカ大陸がほとんどで、
これらの国は高緯度に位置するため、夏と冬で日照時間が極端に違います
そのため、活動時間が増えて経済の活性化なども実際に起きています。
ただ、日本で日照時間って夏と冬でそんなに大きく変わりません。(北海道等は結構違いますが。)
そして現在の酷暑を見ればわかる通り、日本は「高温多湿」の国で、
むしろ涼しい夜にジョギングするために外に出てくる人もいるくらいです。
実は日本では「明るい時間≠活動時間」なので、活動時間が増加することには繋がらないのです。

サマータイムのデメリットは?

demerit

怪しいメリットに対して、デメリットには以下のようなものが挙げられます。

  • 各種健康被害、特に睡眠不足と心筋梗塞には注意
  • 実は交通事故は増加する
  • 労働環境問題
  • コンピュータを利用する各種システム(OSやソフトウェアの時計機能など)を更新しなければならないなど、移行コストがかかる

本当はもっとありますが、メリット四つに対してデメリットを多く上げるのは不公平なので四つに絞りました。

各種健康被害、特に睡眠不足と心筋梗塞には注意

実は導入済みの高緯度の国でも、健康被害の報告が相次いでいます。
撤廃になった国もあるほどです。
詳しくは専門の論文やリンクを最後に載せますが、
簡単に言うと、「睡眠不足」「突然体内時計を1時間ずらすことによるストレスやホルモンバランスの崩れ」が、
心筋梗塞各種疾患のリスクを高めるという結果が出ています。 ロシアはそれで一度廃止を決めています。

実は交通事故は増加する

先ほどの突然体内時間をずらすことによる影響に関連して、実は交通事故は増加する傾向にあります。
まぁ、寝不足で運転することになるわけなので、当然と言えば当然ですね。
このような記事の記述もあります

ボルダーのコロラド大学の研究者は、10年間の夏時間(3月から11月)を研究し、春の時間の変更後の月曜日に交通事故関連死亡者が17%増加したことを発見した。

後述のリンク記事をざっくり意訳したものですが、
こちらでもやはり睡眠サイクルを急にずらすと、それに慣れるまで交通事故が増加することを主張しています。

労働環境問題

日本ではある意味一番大きな問題です。
Twitterなどで言われてるように「2時間労働時間が長くなるだけ」政策になる可能性はかなり高いと言えるでしょう。
大企業などは監視がきついので守るでしょうが、中小などは待ってましたとばかりに悪用するでしょう。
転職前ブラックベンチャーにいた私が言うので間違いありません

コンピュータを利用する各種システム(OSやソフトウェアの時計機能など)を更新しなければならないなど、移行コストがかかる

エンジニアが悲鳴を上げる理由はこれです。
そして世間の誤解が一番あるのもここでしょう。
標準時を一時間ずらす」ということは、日本に存在するあらゆる時計に適応されます。もちろんPCもスマホも。
日本に存在しないものでも、日本でのサービスを展開していればもちろん影響があるわけです。これが本当に痛い。
政府命令で今すぐ持ち物の時計を全て一時間ずらしなさい!と言われたら面倒だと思いませんか?
エンジニアはその面倒くさいの1000000000倍くらい面倒な仕事が待っていると思えば気持ちがわかると思います。
具体的に何がそんなに面倒なのかは以下のスライドがわかりやすかったです。

サマータイム実施は不可能である from UEHARA, Tetsutaro

とにかく世の中に「時間依存で動くサービス」が多すぎるのでその対応に追われるエンジニアが死ぬ。というわけです。

その他、サマータイム賛成派が信用できない!

pointer

感情論になってしまいますが、 個人的に一番問題なのは「サマータイム賛成派」がどうにも信用できないことです。

NHKアンケート

こちらの記事にあるように、NHKの調査では51%がサマータイムに賛成とのことです。
こちらの記事では問題文の誘導が話題にされています。それもかなり問題です。
個人的には調査方法にも問題があるような気がしました。

調査はランダムに選択した固定電話と携帯電話に電話をかける「RDD」という方式が使用

これ、つまり「突然かかってきた機械音声の電話に対して怪しまず対応する人」が回答者の大半を占める可能性が高いのです。
大体の人は、突然私用の携帯に知らないところから電話がかかってきてもまず出ません。
心当たりがあったとしても、まずネットで番号をいれて登録されている事業所名などを確認してから掛けなおします。
つまり、回答してくれている大半は、「突然かかってきた知らない電話に対応する層」つまり、固定電話を持っていて電話に出ることが多い主婦層や老人世代など、「サマータイムに影響を受けない」層なのではないでしょうか。
渋谷で誘導を無くしたアンケートをとって同じ結果になるか是非試してみてほしい所です。

根性論でデメリット否定

自民党の船田元衆議院議員が、

「長時間労働に対しては、既に動き始めた働き方改革により、かなりの歯止めが期待される」
「コンピュータなどの時間設定の変更は、律儀で真面目な国民ならば十分乗り切れるはずだ」
「睡眠不足などによる健康障害問題は、個人の心構えで多くは解消されるはず」

などという発言をしたことが話題になっている。色々言いたいことはあるが、
まず「律儀で真面目な国民」であることで、何故「コンピュータなどの時間設定の変更を乗り切れる」ことになるのか論理的に説明して頂きたいものである。
また、「睡眠不足などによる健康障害問題は、個人の心構えで多くは解消されるはず」については、
数々の研究論文が心構えの問題ではなく睡眠サイクルを突然変更すること」に問題があることを示唆している。

このように、どうにもサマータイム賛成派が信用できず、またIT業界に対する理解があまりにも浅く感じる。
無理やり導入するのは結構だが、優秀な日本人エンジニアは海外へ逃亡するだろうし、
優秀でないエンジニアは対応に追われて過労死か退職を決意することになるだろう。
私ももし導入するようならさっさと退職するつもりだ。

まとめ

ホットドッグ

今回はサマータイムについて色々とまとめてみた。
個人的に反対派なので、かなりぼろぼろに貶してしまったが、恐らくメリットもあるにはあるのだろう。
ただ、エンジニアにはあまりにもデメリットしかないので、どうか全国のエンジニアのためにも導入を見送って欲しいものである

参考資料

サマータイム導入による健康被害について

cinii論文

分かりやすく詳しい資料

サマータイム導入による交通事故増加について

英語記事ですがソースがしっかりしています