天皇という視点から平成を振り返る「旅する天皇」読んでみた感想

天皇という視点から平成を振り返る「旅する天皇」読んでみた感想

平成について振り返る書籍を色々と探していたところ、
「旅する天皇 平成30年間の旅の記録と秘話」(竹内正浩著/小学館)という書籍があったので読んでみた。
平成を天皇陛下の旅の軌跡をもとに振り返っている面白い書籍だったので、レビューしてみました。

※自分は敬語とかあまり出来ないので、失礼な所も多々あると思いますがご容赦下さい。

旅する天皇 平成30年間の旅の記録と秘話


この本は紀行エッセイスト竹内正浩氏によって書かれた本で、
「旅」というところに重きを置いた本なのかと思いましたが、
内容はかなり「天皇陛下の旅の軌跡とその意味・内容」といったところにフォーカスされていました。

最初の数ページは日本地図・世界地図実際にその都道府県・国に訪問した回数が書かれていて、
特に回数の多い地域や、重要な国(同じ王室が存在し、親交も深いイギリス・ベルギー等)との関係性等がTipsとして描かれています。
本編にも挿絵?(挿し写真?)やちょっとしたコラムも多く、かなり読みやすい構成になっています。

その後の本編では、平成元年から平成30年まで、各年毎の訪問先とその意義・内容を簡単にまとめられていました。
天皇陛下は毎年国内外を飛び回っており、
平成の場合戦争で被害を与えた国との国交回復のための訪問に加え、
災害も多かったため、慰問訪問が多くなっているような印象を受けました。
(昭和がどうだったのか知らないので特別多いのかは分かりません。)

さらに、普段馴染みのない天皇陛下の仕事(国事行為以外)についても書かれていて、天皇家って忙しいな!というのが分かります。
全く知らない・かかわりのない世界を知れて面白い良書だと思います。

知られざる天皇陛下の性格や思い


自分は正直あまり政治面に興味がないので、当然天皇陛下のこともテレビで見る程度でしか知らなかったのですが、
この本を通じてその人柄やどういった思いを持っているのか、断片的にではありますが知ることが出来ました。
徹底しているのは、「戦争を二度と起こさない」という思いであるように思います。
平成の初めのうちは、中国、韓国、オランダといった日本が第二次世界大戦中被害を与えた国に積極的に訪問して、
謝罪と二度と戦争が無いように、といった挨拶をしていたようです。

思いを無駄にしないようにしたいですが、最近国際情勢がきな臭いので怖いですね。
自分は単純に痛い思いするのが嫌なので戦争は嫌いです。

また、現代っ子としては非常に共感できるところで、業務の簡略化・効率化にも取り組んでいたようです。
(※本当の狙いはそっちじゃなくて、国民との距離を近くすることですが、結果的に業務のコスト削減になっているように見えた。)
各地の訪問の際は、いわゆるSP等による警備が厳重であったり、
各大臣やらお偉いさんがお出迎えをしたりというのが伝統だったようですが、
そういったものを平成になってからはコストを減らしているそうです。

仕事のコストを減らして豊かな人生を送りたい人が増えた平成という時代を象徴する良いエピソードだなと個人的には思いました。
よくよく考えると、「天皇陛下が生前に退位する」ということ自体かなり大きな制度変更で、
隠居してようやく天皇としての責務から解放される(実際は色々あると思いますが)というのは良いことだと思います。
天皇制って「属人化の極み」だと思うので、こういう取り組みは国民も見習うべきだと思います。

小ネタ・Tips

面白かった小ネタをいくつか紹介していきます。
他にもたくさんあるので、気になった方は是非購入して続きを読んでみてください!

外国訪問の際にはパスポートが必要ない

皇族のパスポート
外国訪問の時は、国賓扱いのためなんとパスポート・ビザが必要ないそうです。
皇族の方々は必要なようですが、これも一般的な赤とか黒とかのパスポートとは違う特別仕様で、
濃い茶色のパスポートが発行されるそうです。

御料車(専用車)は特殊仕様

観音開き式のドア
天皇陛下が使われる御料車は、特殊な作りになっていて、当たり前ですが非売品
観音開き式で和装でおりやすいようになっており、
「天皇陛下の顔が良く見えるように」と後ろの窓が前の窓より広めに作られているそうです。
確かにテレビ等で車に乗っている映像を見ると、肩くらいまで見えていることが多いです。

まとめ

今回は、「旅する天皇」の感想を書いてみました。
平成元年ごろはまだ赤ん坊であったり産まれてなかったりして、
元年の頃の動きや、天皇陛下を良く知らない平成生まれだからこそ楽しく読める一冊だったと思います。
(もちろん、昭和生まれの方でも平成を振り返りながら楽しめると思います)
「旅」と「天皇陛下」という軸に絞って平成30年を振り返ることで、
ある意味「究極の歴史の当事者(観測者?)」の軌跡を知れるので、
平成の大事件・外交事情等のつまみ食いが上手くまとまっているように思いました。

平成を振り返る一冊として読んでみてはいかがでしょうか。